ルブラン兄弟インタビュー<前編>
Alexis LEBRUN [FRANCE]
世界14位 パリ五輪メダリスト、ヨーロッパチャンピオン
Felix LEBRUN [FRANCE]
世界4位 パリ五輪メダリスト
今、世界の卓球を変えようとしているのは明らかにフランスである。2024年の世界選手権(団体戦)釜山大会では27年ぶりの決勝進出。
そしてパリ五輪では男子シングルスと男子団体で2個のメダルを獲得。その常識を覆す練習方法と発想は、まさに「フランス革命」だ。ルブラン兄弟とナタナエル・モランコーチのインタビューをとおしてフランスの強さの秘密に迫った。<インタビュー2024年12月>
Photo Manabu Nakagawa / Remy Gros ITTF
世界の卓球を変えようとしている21歳の兄アレクシスと、18歳の弟フェリックス。パリを熱くさせた二人は、あの暑い夏の出来事と、自分たちの卓球を語ってくれた。
アレクシス・ルブラン
2003年8月27日生まれ、フランス・モンペリエ出身。24年世界選手権団体銀メダル、パリ五輪男子団体銅メダルを獲得、ヨーロッパ選手権の男子単複で優勝、WTTファイナルズ福岡・男子複優勝、世界ランキング12位(26年6月10日現在)、フランス・モンペリエ卓球クラブ所属
フェリックス・ルブラン
2006年9月12日生まれ、フランス・モンペリエ出身。23年ヨーロッパ競技大会男子単優勝、24年世界選手権団体銀メダル、パリ五輪男子単・団体銅メダルを獲得、WTTチャンピオンズ・モンペリエ優勝、WTTファイナルズ福岡・男子複優勝、世界ランキング4位(26年6月10日現在)、フランス・モンペリエ卓球クラブ所属
メダルを目指していたけど、現実としてオリンピック直前に本当にメダルが獲れるとは思っていなかった部分もある︱Alexis
2024年のパリ五輪の男子団体では日本の前に立ちはだかったフランス。その中心にいたのはアレクシスとフェリックスのルブラン兄弟だ。
2022年11月にインタビューした時にはアレクシスが世界ランキング28位で、フェリックスは80位だった。しかし、23年以降、フェリックスは急激に力をつけ、世界ランキングを一桁とし、パリ五輪ではシングルスの銅メダルを獲得。アレクシスは五輪後のヨーロッパ選手権で優勝を果たすなど、兄弟の勢いはとどまるところを知らない。
そのユニークな思考方法はインタビューで垣間見えた。キーワードは「創造性」と「卓球を楽しむこと」だ。
◇◇
●ー24年2月の世界選手権釜山大会で、フランスチームは男子団体で27年ぶりの決勝進出を決め、パリ五輪は期待の大きさで重圧を感じたのでは?
フェリックス・ルブラン(以下・FL) もちろん重圧はあったけど、ぼくらは合宿で一緒に練習し、チームメイトと楽しみながら準備して「チームフランス」として自分たちのゲームに自信を持つことができた。
パリでは卓球を楽しみたかった。大会の最初は誰でもプレッシャーを感じながら緊張すると思うけど、4年に1回のビッグイベントだから平常心を保つのは難しかった。ベストを尽くすことを心がけた。
●ー地元開催だからメダル獲得は大きな目標だったと思うけど、それは現実的な目標としてあったのかな。
アレクシス・ルブラン(以下・AL) もちろんそれは難しいことだとわかっていたよ。でも、男子団体やフェリックスのシングルスでもメダルを獲るために可能な限りの準備をしていた。メダルを目指していたけど、現実としてオリンピック直前に本当にメダルが獲れるとは思っていなかった部分もある。だからこそ、メダル獲得を成し遂げることができたのは本当に信じられない気持ちなんだ。今回のぼくらのパフォーマンスには本当に満足している。今思い返しても、パリでの喜びは信じられない瞬間でエモーショナルだった。
●ーたどっていくと、釜山での世界選手権で27年ぶりに決勝進出したことで、オリンピックに向けて自信を大いに高めたのかな。
FL そうだね。大きな自信とチームスピリットを得た感じがした。27年ぶりにフランスが銀メダルを獲得し、さらに女子チームも銅メダルを獲得したからね。2024年のフランスチームは素晴らしいダイナミズム、躍動感にあふれていた。世界選手権からオリンピックまでその流れは続き、その後のヨーロッパ選手権でも結果(アレクシスの優勝)を出したよね。
AL 釜山のメダルがチームとしての自信につながったと思う。オリンピックは団体戦やダブルスがあるし、世界選手権とは異なる大会なので、ぼくらはダブルスの準備にも非常に力を入れた。それに、世界選手権を通じてどのチームにも勝てる可能性があるとわかったんだ。釜山では、中国のような強豪相手にも少しはチャンスがあると感じられたことで、オリンピック前に大きな自信になった。