O-KOKU
卓球王国

The worlds leading table tennis magazine, since 1997

O-KOKU
『負ける人は無駄な練習をする』水谷隼 第4章 勝つためにコーチに求めるもののコピー

『負ける人は無駄な練習をする』水谷隼 第4章 勝つためにコーチに求めるもののコピー

BOOK
五輪金メダリスト水谷隼著『負ける人は無駄な練習をする』より

選手というのは背中を押してほしいと思っている。迷っている自分の背中を押してほしいと思ってベンチに戻るのに、そこでコーチが迷っていたらどうすればよいのだろう

第4章 勝つためにコーチに求めるもの

日本と中国のコーチの違い。日本のコーチのレベルが世界水準になれば日本の選手はもっと強くなる

 日本人のコーチは私に対しては一歩引いている。何も言わなくても自分でやれるだろうという様子を感じ取ることができる。しかし、実はいろいろと言ってほしいと思っている。

 もし言われたことが間違っていたり、自分の考え方と違う場合は、自分の考えを言う。そこでの選手とコーチの話し合いは必要なことだし、言い合うことも悪いことではないと思うが、日本のコーチはそこで引いてしまう。

 現在のコーチの邱建新さんとはいろいろと話し合うことが多い。また、歴代のチャンピオンのような卓球界の大先輩と会えば、いろいろとアドバイスを受けることがある。

 それを一つひとつ全部聞いても実行はできない。しかし、多くのアドバイスや話の中で、「なるほど」と思うことがある。自分がチャンピオンだからすべてを受け付けないのではなく、何かヒントになる言葉が埋まっていることがある。卓球のことだけではなくて、人としても参考になる言葉がある。

 中国を見ると、世界チャンピオンや五輪金メダリストが、劉国梁監督にアドバイスをもらう。まるで中学生のように直立不動で聞いている。あれはいいことだと思うし、同時にうらやましいと思う時もある。それは、劉国梁監督が卓球を熟知して、トップ選手のことを理解しつつ、その言っているアドバイスに説得力があるからだろう。単なる国家体制というシステムの問題ではなく、監督に対する尊敬の念があるからだと思う。

 日本も世界的なレベルの選手がコーチになって、選手にアドバイスするようになればもっとトップのレベルは上がってくると思う。日本には有望な子どもたちは少なくない。コーチのレベルがもっと向上すれば中国にも対抗できるようになるだろう。

 

2012年ロンドン五輪で団体優勝を果たした中国女子の施之皓監督(中央)は、元世界団体チャンピオン

この続きは有料コンテンツです

サブスクリプションに加入すると、すべての有料記事を閲覧できます

シェア