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チウ・ダン「常に『最高の自分』でいられるように努力する」

チウ・ダン「常に『最高の自分』でいられるように努力する」

卓球王国2026年12月号 GLOBAL ACES「なぜ彼らは戦い続けるのか」 ▶チウ・ダン

Dang QIU GERMANY

チウ・ダン[ドイツ]

 

Text by 今野昇 Noboru Konno

Photo by 中川学 Manabu Nakagawa

チウ・ダン
1996年10月29日、ドイツ生まれ。2022年世界選手権男子団体銅メダル、ヨーロッパ選手権では2020年混合ダブルス優勝、2021年男子団体優勝、2022年男子シングルス優勝。父は世界のトップコーチである邱建新。ボルシア・デュッセルドルフ所属。世界ランキング11位(10月14日現在)


オリンピックは目標であっても、まず質の高い練習を重ねること

 世界ランキング10位というトップランカーのチウ・ダン。父は元中国代表選手で、フリッケンハウゼンのコーチなどを務めた邱建新。卓球一家に生まれ、幼少期から自然と卓球の世界に親しんできた。

 巧みなバックの裏面打法と強烈なフォアドライブを放つ攻撃スタイルで、同じペンホルダーの若き五輪メダリスト、フェリックス・ルブラン(フランス)でさえも未だ到達していない「ヨーロッパの頂点(ヨーロッパ選手権シングルス優勝)」に、2022年に立った。

 初出場したパリ五輪からは2年が経過した。

 「この2年間で本当に多くのことを学び、毎日、さまざまな視点から新しい気づきを得てきました。もちろんオリンピックはぼくのキャリアにおける最高峰であり、間違いなく最大のハイライトです。ただ、他にも非常に重要な大会がたくさんありますし、プレッシャーがかかる局面で自分を試し、自己理解を深める機会が多くありました。技術面でも精神面でも、多くの微調整を行ってきた期間です。

 幸いなことに、成長するための時間はまだあと2年残されています。ただ、それは他のどの選手にとっても同じことです。だからこそ周りではなく自分自身に集中し、常に『最高の自分』でいられるよう努力し続けるしかありません」(チウ・ダン)

 この記事が出た直後に、彼は30歳を迎える。しかし、チウ・ダンは成長を重ねるための努力を惜しまない。

 「アジアの選手とヨーロッパの選手の間には少し違いがあると思っています。アジアの選手たちは、本当に若い頃から信じられないほど強い。例えば松島輝空もまだ若いですが、すでに世界のトップレベルで活躍しています。

 ぼくたちヨーロッパの選手の場合、高校を卒業した18歳くらいでようやくプロとしてのキャリアを本格化させる感覚ですが、彼らはその若さですでに世界の最前線にいます。そういったアプローチの違いは明らかに存在します。ただ、ヨーロッパでもフェリックスやアレクシス(ルブラン兄弟)、モーレゴード(スウェーデン)のように、一気に駆け上がってきた素晴らしい若手たちがいます。

 昔で言えば、ティモ(・ボル)やディマ(・オフチャロフ)も若くしてすでに素晴らしいプレーを見せていました。しかし、卓球という競技は、長くキャリアを続けられるスポーツでもあります」

ペンホルダーの誇りを胸に「常に『最高の自分』でいられるように努力する」

 昨シーズン、長年ドイツ代表を牽引したティモ・ボルが選手としてのキャリアに終止符を打った。チウ・ダンも同じクラブチーム(ボルシア・デュッセルドルフ)でプレーし、多くの影響を受けたはずだ。

 「ティモは今でもたまにクラブやトレーニングセンターに来てくれるので、時々会ってはいます。ティモからは本当にたくさんのことを学びました。4~5年間同じクラブチームでプレーしたし、ナショナルチームでも長い間一緒でした。彼のプレーを見ることもそうですし、試合への準備の進め方など、彼から学んだすべてがぼくにとって間違いなく貴重な財産になっています。ぼく個人のヒーローという意味では、同じペンホルダーの選手だった王皓(中国)でした。それでもドイツ人として、ティモは常にぼくたちが仰ぎ見る存在ですし、まさにレジェンドです」

 父・邱建新から技術面や戦術面についてアドバイスをもらうことはあるのだろうか。

 「父とは日頃から常に連絡を取り合っています。ぼくの試合は全部見てくれていますから、プレーについては常に意見を交わしています」

 チウ・ダンにとって2年後のオリンピックは大きな目標だろう。

 「もちろん、オリンピックが長期的な目標であることは間違いありません。ただぼくにとって最も大切なのは、いつでもあらゆる面で自分を向上させ続けることです。時間を賢く使い、質の高い練習を重ねることで成長していきたい。それがどの分野であれ、日々の日課であり、ぼくの『毎日の目標』です」

 ドイツで生まれ育ったチウ・ダンだが、日本のように幼少期から卓球漬けの日々を送る環境とは異なるヨーロッパにおいて、彼もまたジュニア時代から頭角を現したわけではなかった。ブンデスリーガで揉まれて力をつけ、ヨーロッパ選手権で頂点に立ったのも26歳の時だった。

 世界のトップクラスを維持し続けるチウ・ダンは、F・ルブランとともにペンホルダー攻撃型として、世界という舞台で光を放ち続けている

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