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【ネットとエッジを語り尽くす】枝廣瞳「イライラしてもしょうがない。拾って返せば流れを呼び込める」

【ネットとエッジを語り尽くす】枝廣瞳「イライラしてもしょうがない。拾って返せば流れを呼び込める」

 ボールがネットに触れてコートに入る「ネットイン」と、卓球台の角(かど)に当たって入る「エッジボール」。試合では誰もが味わう、時にラッキー、時にアンラッキーなこのボールを、トップ選手と指導者に存分に語ってもらおう!


vol.3 枝廣瞳 〈中国電力ライシス〉

えだひろ・ひとみ 
2001年2月17日生まれ、岡山県出身。進徳女子高、神戸松蔭女子学院大卒。2023・26年日本リーグビッグトーナメント優勝。25年全日本選手権女子複3位

高校時代の指導のおかげで、あきらめない意識が身についた

 パワフルな両ハンドドライブで正攻法の卓球を展開する枝廣瞳。不運なボールに対する心構えと対処法も、非常に前向きだ。

 試合の中で相手からネットインを食らうとイラッとすることもありますが、最近は「ネットインが来るのは自分の打ったボールの質が悪いからだ」と思うようにしています。自分のボールにしっかりと良い回転がかかっていれば、基本的には相手のボールがネットインになることは少ないため、自分の球質を反省する機会としてとらえるようにしているのです。

 エッジボールに関しても同様に、「今回は神様が相手にエッジをつけたんだな、自分にはついていなかったな」と受け止めています。ネットインやエッジボールに対してイライラしたところで、過去に良い結果になったことは一度もなかったので、その感情は頭のどこかに追いやって、試合に集中するようにしています。

 また、対戦相手の戦型によってはネットインが多くなる選手もいるため、最初から「勝負どころでネットインが来るかもしれない」と想定して準備をしておきます。あらかじめ心構えをしておけば、「予想通りだな」と冷静に受け止めることができ、気持ちが乱されることも少ないですね。

 逆に、自分がネットインやエッジボールで得点した時は、素直に「ラッキーだな」と思いますね(笑)。その際、相手がイラついたり、リアクションが大きくなったりしているのを見ると、「自分にツキが向いてきているぞ、もっと押していけそうだ」と考えて試合を進めるようにします。

 ネットイン・エッジボールへの対処法についてアドバイスを送るとしたら、どうしても取れない場合はしかたありませんが、少しでも取れそうなボールであれば、絶対にあきらめないことを徹底してほしいです。ただラケットに当ててコートに入れるだけでなく、うまく返して自分のチャンスに変えることができたら、相手にとってラッキーだったボールをこちらの得点にすることができます。ボールが台や床に着く最後の瞬間まで、追いかけて取りにいく姿勢がとても大切です。

 私自身、子どもの頃から「取りにいけ」とは言われていましたが、本当に意識が変わったのは高校(進徳女子高)時代でした。当時の指導者(中島健太監督や作馬六郎コーチ)から「なんで取りにいかないんだ、取れるかもしれないぞ」と厳しく言われたことで、最後まで拾いにいく意識が身についたと、感謝しています。

 ネットインされたボールを拾って逆に1点を取ることができれば、自分に流れを引き寄せられるだけでなく、相手に「ラッキーだったはずなのに」という焦りやショックを与えることができる。相手からすれば、1点だけでなく2点分失ったような精神的ダメージを受けます。たった1本であっても試合展開や相手のメンタルに大きな影響を与えることができるので、あきらめずに拾いにいくことが大事ですね。

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