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卓球王国

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【ネットとエッジを語り尽くす】田﨑俊雄「ラッキーポイントの次の1本は、“必ず攻めろ”と教えられた」

【ネットとエッジを語り尽くす】田﨑俊雄「ラッキーポイントの次の1本は、“必ず攻めろ”と教えられた」

卓球王国2026年12月号掲載/卓球人の宿命「ネットインとエッジボールを語り尽くす!」

 ボールがネットに触れてコートに入る「ネットイン」と、卓球台の角(かど)に当たって入る「エッジボール」。試合では誰もが味わう、時にラッキー、時にアンラッキーなこのボールを、トップ選手と指導者に存分に語ってもらおう!

vol.5 田﨑俊雄 〈元五輪代表〉

たさき・としお 
1974年11月1日生まれ、栃木県出身。五輪3大会に出場し、2000年シドニー五輪ではシングルスベスト16。2000年世界選手権団体3位、全日本選手権の男子ダブルスで4回優勝

初出場の世界選手権で、髙島規郎さんに対処法を学んだ

ペン表ソフトの豪快な両ハンド速攻で、海外の強豪に「カミカゼ」と恐れられた田﨑俊雄。指導者や先輩に学び、ネットインやエッジでのセルフコントロールを身につけていった。

 ぼくはペン表ソフト速攻型で、ボールの飛び方が直線的になるラバーの性質上、ネットインが多くなるかもしれませんが、試合でネットインが特別多かったという感覚はないですね。

 卓球はポンポンと高いボールを打ち合う初心者の段階から、レベルが上がるにつれて、より低く厳しいボールを打ち合うようになる。そういう意味ではトップ選手になるほど、ネットインは多くなると言えるかもしれません。

 試合では自分のほうにネットインやエッジが連続でついたり、逆に相手に連続でつくこともあります。これは自分と相手の技術の相性によって起こるのだと思いますが、やっぱりネットインやエッジで得点する選手は、最後まであきらめないプレーをしますよね。届きそうにないボールでも必死で取ろうとするから、ラッキーなポイントが入る。そこで「運」を持ってくる。

 野球の大谷翔平選手が、普段から小さなゴミでも落ちていれば拾って、コツコツ「運を拾っている」という話を聞きますが、ぼくもそういう運はあるんだと思いたいタイプです。古いと言われるかもしれないけど、それまでどれだけ努力してきたか、卓球に懸けてきたかが現れる。普段から練習で積み重ねてきたものが、試合でのラッキーな1本につながるのではないでしょうか。

 また、ぼくは大学時代、1993年の世界選手権イエテボリ大会に初出場した時に日本男子チーム監督(当時)の髙島規郎さんから、ネットインやエッジの時にどうやってセルフコントロールをしていくかを学びました。

 そういうラッキーポイントは自分もあるし、相手にもある。条件は同じだから、心が揺れ動いてはいけないというのが髙島さんの教えです。

 現役時代はドイツでもプレーしましたが、ヨーロッパでは相手のラッキーポイントの時、ワーッと感情を爆発させる選手もいるんですよ。でも相手には感情のコントロールを失ったように見せておいて、パッと切り替えてくる。 逆に日本の若い選手がそれを真似すると、最後まで立て直せなくて負けるケースもある。国民性なんでしょうね。ぼくも若い頃は、相手のネットインやエッジで苛立ち、我を失ってしまうことがありました。ナショナルチームに入って、髙島さんや先輩方から「グッとこらえて、試合が終わったらしっかり握手をして戻ってくればいい」と教わり、少しずつ精神的に成長していくことができました。

 髙島さんには、「自分にラッキーポイントが入った後は必ず攻めろ」ということも教わりました。ミスをしていたのに等しい、もらったポイントなのだから、「そこでホッとするのではなく、次は自分から点を取りにいけ」と言われましたね。 

 そして自分のラッキーポイントの時、トップ選手はちゃんと手を上げたり、人差し指を立てて相手に謝る。そこで浮かれないのも一種のメンタルコントロールかもしれませんが、同時に相手を思いやる卓球というスポーツの素晴らしさでもあると思います。

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