卓球王国2026年12月号掲載/卓球人の宿命「ネットインとエッジボールを語り尽くす!」
ボールがネットに触れてコートに入る「ネットイン」と、卓球台の角(かど)に当たって入る「エッジボール」。試合では誰もが味わう、時にラッキー、時にアンラッキーなこのボールを、トップ選手と指導者に存分に語ってもらおう!

vol.4 五十嵐史弥 〈日の出医療福祉グループ〉
いがらし・ふみや
1999年9月9日生まれ、山形県出身。石川・遊学館高から早稲田大に進み、現在は日の出医療福祉グループに所属して活躍中。2020年全日本学生選抜3位、2024年全日本社会人ベスト16
思い切って打ったからこそ、エッジから流れをつかめた。あの1本が逆転につながった
ネットイン、エッジボール……。思わぬ1本が試合の流れを変えることもある。五十嵐史弥は、それを強気で攻めた結果として受け止め、次の1本に意識を切り替える。
ネットインやエッジボールは、試合中にどうしても起こるものなので、あまり気にしないようにしています。
ぼくのこれまでの経験では、入れにいこうと思って安全に打ったボールよりも、強気で振り切った時のほうが、ネットやエッジで入るケースが多いように感じます。だから、相手にネットやエッジが出た時は「勝負をかけてきているな」と思うようにしています。
ただし、こちらがサービスを強く切って、相手が入れにきたストップやツッツキがネットに当たって入ったような場合は、「うわっ」と思ってしまいます。ネットミスになっていてもおかしくないボールが偶然入ったわけですから、そういうアンラッキーなポイントもあります。だから勝負どころでは相手のネットインの可能性も考え、あえてサービスに強く回転をかけすぎないようにしたり、サービスの「切る・切らない」は意識していますね。
自分が勝負をかけて打ったボールがエッジで入って、そこから流れをつかんだこともあります。それは2024年12月のTリーグの試合です。
林昀儒選手(チャイニーズタイペイ/木下マイスター東京)にゲームカウント1―2で負けていた4ゲーム目、5―10から10オールに追いつきました。そこで林選手の出したフォアサイドへのハーフロングのサービスに対して、しっかりと回転をかけて、低いループドライブでレシーブしました。相手はそのコースを読んで、回り込んで待ち構えていましたが、ループドライブがエッジで入ってボールに触れなかった。
あの時、ミスを怖がって山なりのループドライブをしていたら、カウンターを打たれて終わっていたかもしれません。でも5―10から追いついて、10オールで次の1本を取れればゲームを取れる場面だったので(Tリーグのルールは最終ゲーム以外はジュースなし)、思い切り回転をかけて、厳しいループドライブを打とうと決めていた。だからこそ、低く厳しいボールになったんだと思います。
エッジは狙って出せるものではありませんが、強気でプレーした結果として出たものだったので、その後は自分もさらに強気でプレーすることができて、逆転勝ちにつながりました。
こうした好例もありますが、試合では相手のネットやエッジが続くこともあります。それを気にしてしまうと、次のプレーにも影響するので、ぼくは「しょうがない」と切り替えています。そのうえで、相手が強気で振ってきた結果としてネットやエッジが多いならコースを変えるなど、次のプレーの材料にする。
起きたことを気にするより「次の1本をどうするか」、を考える。ネットやエッジも含めて、それが重要だと思っています。
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